氷河火山エイヤフィヤットラヨークトルの噴火の痕跡に大接近!
4月中旬より5月上旬ごろまで、ヨーロッパの空港を混乱に陥れたアイスランドの『エイヤフィヤットラヨークトルの噴火』の痕跡を近くで見てきました。
最初の噴火はアイスランド時間(GMT)の3月21日(土)23時30分に発生。そのポイントはエイヤフィヤットラヨークトルとミールダルスヨークトルの両氷河の間にある、「5つのケルンがある峰々」意味する山稜(環状山)フィムヴォルズハゥルス。
この最初の噴火がほぼ治まりかけていた4月中旬にになってフィムヴォルズハゥルスの西側に隣接する氷河エイヤフィヤットラヨークトルの舌氷河ギーグヨークトルから新たな噴火が始まり、これが世界を震撼させることになる。氷河底の噴火のゆえに大量の火山灰と氷河の一部の溶解で火山泥流を発生させた。これがその後の空港閉鎖などの問題を惹起させ、ヨーロッパ各地の空港の運航に甚大なる影響を与える一方で、国内的には氷河川マルカルフリョゥトに大洪水をもたらした。
上の写真は噴火前のエイヤフィヤットラヨークトル氷河。しかし、噴火後はまったく変貌している。氷河の白い部分は無残にもほとんどなくなっていた。
今回は、ミールダルスヨークトル氷河に数ある舌氷河で噴火地点に最も近いソゥルへイマヨークトル氷河を訪れた。最初の噴火地点フィムヴォルズハゥルス山稜までは10km、大噴火をもたらした2番目の噴火地点ギーグヨークトル氷河までも10数キロ。現場近くまで火山灰の影響でアクセスが心配されたが難なく到着。しかし、途中の山道の両サイドには大量の火山灰が真っ黒く降り積もっていて噴火の激しさが随所に残っていた。
ソゥルへイマヨークトル氷河はミールダルスヨークトル氷河の南西の流出口から突き出した鼻のように横たわる、小さな細長い舌氷河でその長さは約8km、幅は1から2km。
南海岸部の景勝地スコゥガル付近でリングロードから内陸部に向かう狭い山道を数キロ入った突き当たりに氷河の端っこがある。
氷河はここ数世紀の間におよそ900mも前進していたが、1930年から1964年にかけては一旦大きく後退。その後の90年代においてはまた前進するなど比較的流動性に富んだ動向を示している。 氷河は渓谷状になっていて渓谷の両壁の間にはいくつかの潟湖があるのも特徴だ。
今年4月のエイヤフィヤットラヨークトル氷河噴火の火山灰で氷河の表面は黒ずんでおり、噴火の痕跡をはっきり見て取れた。
通常であれば10月下旬までアクセスが可能だ。
投稿日時:2010 年 8 月 3 日4:13 PM
カテゴリー:アイスランド,現地レポート,自然と楽しもう!
投稿者: Mr.アイスランド:1件の投稿
(Mr.アイスランド)