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フィンランドが出てくる少女漫画

趣味丸出しの記事、第二弾です。

フィンランドが出てくる少女漫画その一は、ドラマにもなったクラシック漫画二ノ宮知子作『のだめカンタービレ』
少女漫画は長期連載化するとパワーダウンが否めない作品も少なくないのですが、「のだめ」はパリ編に入っても変わらずおもしろい。
のだめや千秋はじめ、おかしな登場人物たちが悩みながらも徐々にステップアップしていく姿に、笑いながらも「私もがんばろう」と前向きな気持ちになれる良い作品!
しかし、この人たちには音楽という自己表現があって、うらやましいです。

さて、フィンランドが出てくるのは第12巻。
指揮の師匠ミルヒーのヨーロッパツアーに同行中、フィンランドに立ち寄った千秋とミルヒー。
(なぜか)シラカバの森の中で「千秋、デビュー曲にシベリウスやんなさいよ。」とミルヒーに言われます。
「フィンランド=シベリウス…って思いつきだろう??!」感丸出しですが、千秋の指揮者デビュー曲がシベリウスの『交響曲第2番』に決まってしまう瞬間のシーンです。
きっと作者の確信犯だと思いますが、背景のシラカバの森が「ステレオタイプのフィンランドのイメージ」という感じで、ちょっと笑えます。

北カレリアのシラカバの森。樹液はキシリトールの原料になります。

北カレリアのシラカバの森。樹液はキシリトールの原料になります。

さて次にご紹介するのは古い漫画ですが、篠原千絵作『海の闇 月の影』
私が小学生のときに流行った漫画なので、北欧ブームの波が来る以前の作品だと思うのですが、フィンランドが結構重要な役割を担っています。

仲の良い双子の姉妹、流水と流風がウイルスに感染。
ウイルスのせいで流水には残忍な性格と他人を自由自在に操る超能力が…、一方、流風はウイルスへの免疫抗体を体内に持つことが判明、暴走する流水を止めようと戦います。
で、途中で流水の能力を利用して世界征服(?)をしようとするジーン・アルバート・ジョンソンという人が出てくるんですが、この人が実はフィンランドのカレリア地方出身なんですねー。
彼が世界征服を目指すのは、それにまつわる悲しい理由があり…という第6巻の場面でカレリアが語られます。
「北欧=おしゃれ」「北欧=福祉が充実」など今のイメージとはちょっと違う、フィンランド像を感じます。
フィンランドの国名をフィンランド語で「スオミ」と言うことも、この漫画で知りました…懐かしい。
この漫画、前半はホラー色が強く、かなり怖いです。

『海の闇 月の影』の表紙が怖すぎる…。

『海の闇 月の影』の表紙が怖すぎる…。