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今年8月にフィンランドへマツタケ狩りに出かけましょう

森の民族であるフィンランド人はヨーロッパでもキノコ好きの民族として知られています。豊かな森林資源に恵まれているフィンランドには春から晩秋になるまで様々なキノコが生えます。フィンランド人は伝統的に森林や湿原においてベリー摘みとともにキノコ狩りを楽しみます。しかしながら、国産のマツタケについてはこれまでほとんど注意が払われてきませんでした。

フィンランド産マツタケ

ところが2007年からフィンランド人のマツタケに対する評価が一転して、大変貴重なキノコとして崇められるようになってきました。国立食品安全管理局が同年4月にマツタケを国内で商業上取引してよい食用キノコのリストに加えたこと、それに先立ってアークティック・フレーバーズ協会がマツタケを2007年のきのことして選び、キャンペーン用の絵葉書とパンフレットを作成し、配布することによって国内におけるマツタケの知名度を格段に高めたことが影響しています。同年9月下旬には中部フィンランドのキヒニオで国立森林総合研究所が3日間にわたってマツタケ・セミナーを開催しました。国内のほかに、日本、スウェーデンからも専門家を呼んで、活発な討論が行われました。国内のマスコミでも機会あるごとにマツタケが採り上げられていました。こうした追い風に乗って、フィンランド産マツタケの日本向け輸出もここ数年本格化してきました。

赤松の生えるフィンランドの森にはマツタケが・・・

フィンランド産マツタケの学名は、少し前までTricholoma nauseosumが使われていましたが、最近ではTricholoma matsutakeに変更されています。スウェーデンではDNAレベルで北欧産と日本産のマツタケを比較したところ、全く差は見つかりませんでした。基本的には、フィンランド産とスウェーデン産は同じものですから、正真正銘のマツタケと言っても過言ではありません。本来ならば先に命名されたTricholoma nauseosumを採用する決まりでしたが、なにせ吐き気を催させるようなという意味があり受けが悪いので、特例として後から命名されたmatsutakeの方に軍配が上がりました。

?中部フィンランドのマツタケの森

フィンランド語でマツタケのことをmännyntuoksuvalmuska(マンニュン・トゥオクス・ヴァルムスカ)と言います。直訳しますと、マツ林に生える匂いキシメジ科キシメジ属のキノコとなります。こちらのマツタケはほぼ全国的に分布していますが、収穫量は北部に行くに従って増加する傾向があります。瘠せた、乾燥性の土壌で、欧州アカマツ林内に普通8月から9月にかけて発生し、典型的な地表植生はハナゴケ類、タチハイゴケ、カルーナ、コケモモなどです。当地では、マツタケの香りのことを、ヒヤシンスの匂いに近いとか、甘い良い香りとか表現しています。フィンランドで出版されているキノコの図鑑には、マツタケは非常に美味な食用キノコとして記載されています。

ウォーッ!マツタケ発見?

さて今年8月下旬に企画されているハイキングツアーでは、イカーリネン、セイツェミネン、アウランコ、ヌークシオといった中南部の4ヶ所で、トレッキングと森の散策をたっぷりお楽しみいただくことができます。スパホテルのあるイカーリネン周辺の森ではキノコやベリーを収穫した後、外国にいながらにしてマツタケパーティーを開くことも夢ではありません。森林と湿原、そして氷河地形のエスカーがモザイク状に入り組んでいるセイツェミネン国立公園では原生林に近い森林も残されています。国設アウランコ森林公園は総合リゾート地内にあり、季節ごとに移り変わる草花とともに展望タワーからはまさに典型的な森と湖の景色を満喫できます。首都圏に最も近いヌークシオは国内の国立公園の中でも三指に入るほどの人気スポットで、思いのほか地形の変化に富んでいます。

?やったぁ、マツタケ収穫♪

このほかに、シベリウスの生家やハメ城のあるハメーンリンナの市内観光、そして躍動的な首都ヘルシンキの市内観光、さらにご希望に応じてイカーリネンスパホテルで提供される各種トリートメントサービスなど、とても魅力にあふれた内容です。

花と森歩きの達人 宮澤豊宏さんと歩くフィンランド花と森のハイキング

マツタケ狩りとハメ地方周遊7日間