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スピッツベルゲン 氷河トレッキング

準備をと整えて、いよいよ氷河トレッキングに出発。 ロングイヤービーエンの中心から南側の山方向へ行くとニービュエンに着きます。このあたりの炭鉱が栄えた頃に炭鉱夫たちの宿泊施設があったところ。現在はゲストハウスに改装され、夏の観光シーズンは大賑わい!
ツンドラ大地のフカフカの地面を歩き、少しづつ山登り、山の斜面途中の廃墟の炭鉱跡までは、なんとなく道があるから歩きやすい。

ふかふかのツンドラを歩いて氷河へ出発

景色がおかしいな・・・そっか、樹木がない、低木すらない、可憐な高山植物がわずかばかり咲いているだけなんだ。突然トナカイの骨が目の前に横たわっていてびっくり、シロクマに食べられたの?とガイドさんに聞くと、そうではないらしい。草すらあまり育たないこの地では、トナカイの餌は本当に少なく、冬に雪を掘ってわずかな枯れ草の残りを食べようとするけれど、瓦礫の細かい破片を一緒にかじって歯が折れてしまう、するともう草も食べられなくなって餓死しまうそうだ。大自然の厳しさを目の当たりにした思いだった(涙)。

可憐なお花

かわいそう・・・トナカイの骨

そして、あっという間に足場は瓦礫だらけ、トレッキングを楽しむなら足首まである完全防水のかなり本格的なトレッキングシューズを用意することをお忘れなく。かくいう私もMERRELLのトレッキングシューズを購入!重?い、かさばる?、と思いながらも、ここまで来たらありがたさを実感!用意しといてよかった。

まだ元気、でも足元は瓦礫だらけ

念願の氷河に到着!ここで少し休憩して元気を回復。足元は滑りやすいけれど氷河の上を歩いているなんて感動的、ここまでの登りの疲れも一気に吹き飛び、氷河の割れ目を飛び越えて快調に進んで行く、何しろ木も草もないから、やたらと遠くまで見渡せます。

いよいよ氷河の上を歩いて渡る、ひゃっほー♪

写真前方、右側に見える山頂を目指して歩いて行くけれど、氷河が終わると再び登り、気温は氷点下。

涼しいよ、あれっバッテリーがおかしい・・・

ここでカメラのバッテリーがアウト(以降文章のみでお許しを)。道なんてまったくない上に堆積物と雪でズボズボと足がもぐり登りにくい! さらに雪がパラパラ降ってきて、いよいよ頂上への急で狭い瓦礫の尾根を進む頃には視界がかなり悪くなり、こんなところにシロクマがでてきたらパクッと食べられちゃうなと、猟銃を持った地元ガイドのお兄さんが頼もしく見えてきた!柵なんてないし瓦礫はグラグラ歩きにくいし、万が一足を滑らせたら大変。849mのトロールスタイネン山頂に到達した頃には雪やコンコン♪広大な360度のパノラマの景色を見ながらサンドイッチをほおばる!はずが、雪の中で凍えながらサンドイッチをほおばる!これはさすがに寒かった、早々に切り上げ下山することに。ここで、ツルツルのポンチョがお役立ち!お客様のお1人がすかさず荷物からポンチョを取り出し、ソリの要領で一気に滑り降りて気持ちよさそうでしたが、慣れない方は真似しないように!スピードがついて氷河の割れ目に転落なんてことになったら恐ろしいことでございます!

最後のお楽しみは化石探し!へラース氷河とロングイヤー氷河の交わる部分では、主に植物の化石が数多く見つかります。こんなに手軽に化石って転がっているの??とおどろきます!雪の中でひたすら瓦礫を裏返したり、しばらく無言で化石採掘に没頭。ミニハンマーと汚れてもいい軍手を持参すればよかった。結構簡単に沢山ころがっているけれど、何しろ石は重いので持ち帰るにも限度がある。手ごろで形のいい気に入ったものにこだわるときりがないからほどほどに。ここからは麓のニービュエンまであっという間というわけで、普段山登りをしていない私でも、少しばかりの根性があれば、7時間の氷河トレッキングはけっこう楽しむことができました。お天気がよかったら最高だっただろうな・・・来年も来ようっと!

スピッツベルゲン 35℃猛暑から0℃の世界へ

北緯78度ノルウェー本土からバレンツ海を一路北極をめざし旅すること約20時間、スヴァルバール諸島へ行ってまいりました!この夏は猛暑でバテ気味だったけれど、いきなり0℃はどうなんだろう?暑いのと寒いのどっちがいいのかな・・・と想像しながらノルウェーオスロ空港到着。乗り換えの出発ゲートへ向かうと1箇所だけゴッツイ、トレッキングシューズとリュック、あきらかにビジネス路線や都会行きと違う服装の人たちが・・・成田空港を出るときには、ホントにこんなの着るの??と思いながら暑いのを我慢して持ってきた冬の衣類、ふむふむなるほど。そして、いよいよ眼下にスヴァルバール諸島が見えてきました、ワクワク!

スヴァルバール諸島が見えてきたワクワク

8月12日お盆に冬の服装だ

スヴァルバール諸島の最大の島がスピッツベルゲン島、そして町の名前がロングイヤービュエンです。
飛行機を降りるとさむっ!ロングイヤービュエン空港に入ると、さっそくシロクマくんがお出迎えしてくれます。

シロクマくんがお出迎え

ホテル到着は真夜中なのに昼間とまったく同じ明るさにビックリ!

真夜中の0時

さて2日目は、氷河と炭鉱の町を見学、終日クルーズにお出かけです。
まずは救命胴衣の着用デモンストレーション。

救命胴衣のデモンストレーション

イースフィヨルドを抜けて氷河の近くまで迫ります。

海に流れ込む氷河

船長さんが氷河の氷を海から拾って、オンザロックで乾杯!ジュースもあるので飲めなくてもご心配なく。
続いて氷河を眺めながらのランチは最高ですよー。

氷河を眺めながらランチ

続きはまたね、涼しそうな添乗レポートでしょ。

フィンランドの森便り8月

8月上旬には場所により多少残暑も残りますが、中旬も過ぎると全国的ににわかに秋めいてきます。朝晩の気温もぐっと下がってきて、時には肌寒いくらいです。低地では朝晩にあたり一面にうっすらと霧が立ち込めたりすることもあります。北部ラップランドの山岳地帯では木々や下草がほんのりと色づき始め、間近に迫った紅葉の季節の到来を告げます。

鐘形の小花が満開のカルーナの群落

乾燥した松林や貧栄養性の湿原で大きな群落を形成しているのはツツジ科のカルーナです。よくエリカと混同されますが、実際エリカはフィンランドにほとんど自生していませんし、カルーナの葉は鱗片状で、エリカとは異なっています。帯紫紅色や淡紅色の花が普通ですが、まれに白色花もあります。この時期に蜜蜂がせわしく蜜を集めるのがこのカルーナの花です。カルーナは別名ハイデソウとか、ギョリュウモドキとか呼ばれることがあります。

白花または淡紅花をつけるセイヨウノコギリソウ

この時期の野山の代表的な花は、とりわけ花期が長く、ほぼ全国的に分布しているノコギリソウの仲間とホソバウンランです。ノコギリソウはセイヨウノコギリソウとエゾノコギリソウの2種類が国内で普通に見られます。林縁、空地、野原には、アキノキリンソウ、ヤナギタンポポ、タンジーといったキク科植物の黄花、オトギリソウ科ヒペリウム・マクラツムの黄花、マツムシソウ科クナウティア・アルベンシスの薄紫色の花が目立ってきます。また、湿地にはシソ科のスタキス・パルストリスやハッカの花が時たま咲いています。赤く熟したドイツスズランの果実

秋に向けて森や野原では様々な植物の果実も熟してきます。特にドイツスズラン、そして落葉性の小潅木、ジンチョウゲ科ダフネ・メゼレウムの鮮紅色の果実、ヒメマイヅルソウの小さな赤い液果、ナス科ソラヌム・ドゥルカマラの透き通るような赤い実に興味をそそられます。どれも見かけに反して有毒で食用になりません。

青空市場に出回る在来種のザリガニ

青空市場に出回るアメリカザリガニ

フィンランドでは、他の北欧諸国同様、この季節にザリガニを賞味します。7月21日正午になると全国一斉にザリガニ漁が解禁になりますが、旬はやはり8月以降です。国内の湖沼・河川には在来種のザリガニと放流された外来種のアメリカザリガニの2種類が生息しています。青空市場では、出始めの頃の値段は一匹につき5ユーロ前後もします。レストランではザリガニ料理は高価なものなので、予約が必要です。前菜として食べることが多く、氷室で冷やしたウオッカとカリカリに焼き上げたトーストパンと一緒にいただきます。

野生のヤマドリタケ

晩夏を迎えると、森のキノコもたくさん発生してきます。イタリア料理などでよく使われ、大変美味な食用キノコとして知られているヤマドリタケは、別名イタリア語でポルチーニ、フランス語でセップとも呼ばれることがあります。このきのこは樹木の根に菌根を作って共生する菌根菌であるため、マツタケ同様、人工栽培は困難であり、そのため野生の採集したものだけが流通しています。最近では、フィンランド東南部からイタリア向けに高品質なポルチーニが輸出されています。

参考サイト:花と森歩きの達人 宮澤豊宏さんと歩くフィンランド花と森のハイキング